台風シーズンですね。日本では台風に号数が使われますが、台風1号、2号と言うとき、どのようにしてそれを数えるのでしょうか? 今回はそれを明らかにした上で、台風の発生と日本への影響にも触れ、台風の定義や温帯低気圧との違いも取り上げたいと思います。

私が子どもの頃の1960年代や1970年代は、よく台風が日本に来ていた印象があります。調べてみると、やはり発生数も多いんですね。今は、一頃のように多くはないですが、時々大きな被害をもたらす台風が襲来しています。

今回の記事を書いていて、ふと被害の大きかった昔の台風の思い出などを懐かしんだりしました。皆さんも過去の台風について一度ググってみてください。ということで、台風◯◯号の意味について、解説していきましょう!

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台風〇〇号の数字はこうして決められている!

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年の初めの1月1日以降、発生した順番に台風1号、2号…と数字が決められます。対象は、北西太平洋または南シナ海海域、正確には赤道以北の北緯60度、東経100度から180度までの範囲に発生した台風となります。

一度発生した台風が衰えて熱帯低気圧になり、再復活して台風になっても、最初の号数が引き継がれます。また、12月30日に発生した台風が翌年の正月に日本に接近しても、昨年の番号順でつけられた号数が使われますので、台風1号とはなりません。

台風に号数を付けるのは日本独自のものですが、国際的には、14ヵ国から成る台風委員会が台風に名前を付けています。各国から提出された名前をリスト順にして、順番に名前を付けていきます。例えば、昨年日本に大きな被害をもたらした台風18号は、アータウ(嵐雲)という名前になっています。

2016年の今年は、台風の発生が過去2番目に遅い年になっています。7月上旬に台風1号が発生しましたが、例年なら4月ぐらいには1号が発生しているので、2、3ヵ月発生が遅れていることになりますね。ちなみに、この台風1号は、ミクロネシア語の「ニパルタック(有名な戦士の名)」という名前が付けられました。

台風〇〇号…過去に一番多い年っていつ?

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気象庁が記録をとり始めた1951年以降、最も多く台風が発生した年は1967年で、39個発生しています。毎年平均して約26個発生していますから、かなり多く発生してますね。30個以上発生した年を年代順に並べると、1958年、1962年、1964年、1965年、1966年、1967年、1971年、1972年、1974年、1978年、1988年、1989年、1992年、1994年、2013年となります。

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記憶に新しい2013年は、日本中に被害をもたらした台風26号が10月11日に発生しました。三原山の外輪山中腹が崩落し、36人が死亡した有名な災害で全国では40人が死亡、3名が行方不明になる被害をもたらしました。

しかし、台風の発生数が多い年に台風被害が多くなる訳ではありません。1959年以降、死者が40名以上に達した台風を年代順に並べると、1959年(伊勢湾台風)、1990年、1991年、1993年、2004年、2011年、2013年となります。伊勢湾台風以外は全て平成の台風になります。発生数が30に満たない年が多かった1990年から2010年の間に、被害を出す台風が日本に来ているという特徴が見て取れるのです。

2013年の台風26号は伊豆大島に大きな被害をもたらしました。

▼台風26号 伊豆大島で13人死亡 50人と連絡がとれず NHK-TV NEWS

そもそも「台風」って、どんな基準で呼ばれるの?

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台風は熱帯低気圧の発生場所と最大風速で決まります。低気圧が熱帯の海で発生すると熱帯低気圧になりますが、、このうち北西太平洋または南シナ海に発生するものが、日本の監視下に置かれます。その低気圧内の最大風速が毎秒17.2m(風力8)以上になると「台風」と呼ばれるようになります。

ところで、「平均風速」「最大風速」「最大瞬間風速」という言葉が分かりにくいので、簡単に説明しておきます。

平均風速…10分間の平均風速。
最大風速…上記の平均を10分刻みで記録したもののうち、最大のもの。
最大瞬間風速…記録した全ての瞬間風速の中で最大のもの。
※台風の基準となる最大風速というのは、最大瞬間風速ではないので注意してください。

たいてい台風は温帯低気圧に変わりますね。温帯低気圧は中緯度から高緯度に発生する低気圧ですが、発生場所ではなく、構造の違いで台風や熱帯低気圧と区別されます。

台風や熱帯低気圧は暖気だけでできていて前線が発生しません。それに対して、温帯低気圧は暖気と冷気がぶつかって前線を伴います。台風は北上するにつれて、このような構造になって温帯低気圧になるのです。

台風◯◯号の意味 まとめ

いかがでしたでしょうか? 台風の発生数が少ない年でも油断はできないということや、台風が温帯低気圧になっても安心はできないということを知っておいて欲しいと思います。

台風は温帯低気圧になった後でも発達する場合があります。最大風速が毎秒17.2m以上になっても、温帯低気圧の構造を持つ限り台風とは呼ばれないので、ついつい油断しがちです。

台風の強風域は中心に集まりますが、温帯低気圧の強風域は広範囲にわたります。また、近年話題になっている爆弾低気圧は温帯低気圧なんですね。

ですから、台風が温帯低気圧になっても、その勢力をよくチェックしておく必要があります。「天災は忘れた頃にやってくる」の教訓を思い出しましょう。

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