「サンタクロースはトナカイのソリに乗ってやって来る」というのは、サンタのイメージとして世界共通(?)に抱いているイメージだと思います。でも、「どうしてトナカイなのだろう?」「どうしてソリなのだろう?」と問われたら、答えるのに困ってしまいますよね。

私は小さい時、デパートのサンタさんに「トナカイが見たい!」とねばって、従業員の方を困らせた経験がありますが、それと同じぐらい返答に困る質問です。

で、この季節が来るたびに、また子供達から質問攻めに合うこともあって、この歳になって、ようやく本腰を入れて調べることにしました!

そうしたら、なぜか聞きなれない“サーミ人”という民族がいたんですね。今回は、そのサーミ人から「サンタのソリをトナカイが引く理由」を私(筆者)なりに解明してみました。それでは行ってみましょう!

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サンタのソリをトナカイが引く理由に潜む「サーミ人」とは?

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サンタクロースのソリをトナカイが引くというイメージは、サーミ人と呼ばれる民族が由来です。サーミ人は、スカンジナビア半島北部のラップランド地方やロシア北部のコラ半島の先住民族です。

サーミ人はトナカイと共に遊牧生活を送る民族で、アメリカなどでは「魔法が使える」と信じられていました。、

1823年にアメリカの新聞に「サンタクロースがやって来た」という英語の詩が発表されました。サンタクロースがトナカイにソリを引かせる描写は、この詩が初めだと言われています。

作者とされるクレメント・クラーク・ムーアは、おそらくサーミ人からこの着想を得たのではないでしょうか?

しかし、「どうしてトナカイがソリを引いて空を飛ぶのか?」という疑問は残ります。トナカイは大きな角が羽に見えるからという説もありますが、詳しいことは分かりません。

私(筆者)は、19世紀の「サンタクロースがやって来た」の詩がトナカイを登場させ、1938年の物語「赤鼻のトナカイ」がトナカイを飛行させ、この2つが合体したイメージが今に至っていると考えています。

こちらの動画は、そのサーミ人の文化をドキュメンタリー形式でまとめた、衝撃的な動画です。(結構、カルチャーショックを受けますよ……。)

▼トナカイとともに暮らすロシア先住民の脅かされる暮らし

そもそもなぜサンタはソリに乗るの?

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サンタクロースがソリに乗っているのはなぜでしょう? これについては確かな説はなく、はっきりした理由は分かりません。以下は、私(筆者)が想像した仮説です。

ソリを引く家畜には犬、トナカイ、馬、牛などがいます。犬ゾりが一番長い歴史をもっていますが、ユーラシア大陸ではトナカイ飼育が普及するにつれ、「トナカイゾリ」が主流となっていきました。

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トナカイゾリはサーミ人の主要な交通手段で、彼ら以外にもユーラシア大陸の北極圏では多くの民族が使用しています。トナカイソリは4つの型に大別できますが、ほとんどが1頭から2頭のトナカイで引かせるのが普通です。西シベリアのサモエード人が使用するソリでは、7頭までつなぐこともあるようです。

もしかすると、サンタのソリは、このサモエード人のソリから着想を得たのかも知れません。7頭のトナカイがソリを颯爽と引いていく姿は、サンタクロースにスピード感を与えるのに格好のモデルです。

これが馬車のようなものでは颯爽感がありません。ソリであっても、馬や犬や牛が引くのでは少し似合わないイメージですよね。こういうイメージから、トナカイソリが使われた気がします。

サンタのソリは引っ張ってるトナカイは何頭?

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サンタのトナカイは全部で8頭います。8頭ともきちんとした名前が付いていますが、詳しい説明はこちらの記事をご参照ください。

1939年に有名な「赤鼻のトナカイ」という物語が発表された時、ソリを引くトナカイは9頭になりました。ルドルフというトナカイが加わったのですね。

物語で赤鼻のルドルフは、「他のトナカイとは違う」ことからいじめられていました。ある時、濃い霧でソリを出発させることができずに困っていたサンタが、ルドルフの赤鼻が灯りがわりになることを発見しました。それによって、ルドルフはソリを引く9番目のトナカイに加えられたのです。

しかも、ルドルフは8頭のトナカイの先頭に立って灯りを灯すことになります。いじめられっ子がヒーローになるのです。この物語はたちまち子供達の心をつかみ、世界中に広まることになりました。(ルドルフ誕生秘話については、上のリンク記事をご参照ください。)

そして物語ではトナカイが空を飛びます。7頭のトナカイがソリを引いて雪原を走るサモエード人のソリを想像してみてください。そのスピード感は、そのまま空を飛びそうなくらいです。おそらくトナカイが空を飛ぶのは、ここから来たのではないかと思われます。

サンタクロースのソリをトナカイが引く理由 まとめ

いかがでしたでしょうか? この疑問については冒頭でも述べている通り、証明できるような確実な根拠はないですが、サーミ人と、サモエード人が大きく関わっていることは、ほぼ間違いないでしょう。

ちなみにディズニー映画の「アナと雪の女王」のオープニングの音楽は、サーミ人の「ヨイク」と呼ばれる伝統音楽だそうです。というわけで今回の記事のために、このサーミ人について、もう少し補足を。

このサーミ人は昔の民族かと思いきや、今も存在するんですね。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアに住む、実にオシャレな民族なんです。

伝統衣装がカラフルで、人々の表情も明るいです。いかにも欧米人が好みそうな雰囲気があり、サンタの故郷的なものを持っていると言えるでしょう。

今回の記事執筆にあたり、サンタのことをより深く理解できたのと、このサーミ人のことを知ったことが、個人的には嬉しい収穫となりました。あなたはどうでしたか?

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