今年も「播州秋祭り」の時期がやってきました! 元来、祭り好きの私(筆者)はこの祭りが大好きで、よっぽど都合が悪くない限りは毎年参加しています。
ちなみにこの祭りを知らない人は「播州」ってどこ? っていうことから始まると思うのですが、播州地方は、兵庫県の南西部にあって、古くから播磨国と言われた瀬戸内海に面した地域のことを言います。
その中心部は姫路市で、ここを中心とする海岸地帯では10月になると各地で秋祭りが行われます。その総称を「播州秋祭り」と言いますが、特徴はそれぞれの地域で独自の屋台(太鼓台)を練り出すところにあります。
播州秋祭りの由来は不明ですが、最初にこの地方に屋台が誕生したのは江戸時代末期だろうと言われてるんですね。昭和初期、旧播磨地方の商業の発展に伴って、祭りが地方に広まり発展したものと思われます。
と、そろそろ概要はこれくらいにして、今回はこの「播州秋祭り」の特徴を取り上げたいと思います。それでは、行ってみましょう!
目次
2016年の播州秋祭りの日程は? 神社ごとに詳細を教えます!
播州秋祭りは、ほぼ10月いっぱいの期間をとって、播州の各神社で行われます。神事としての祭りが、一定期間にまたがって地域でバラバラに行われていた場合、最近は日程を統一する地域も多いと思います。
それをあえて統一せずに、神社の定めた日程通りに行うのは、おそらく地域の神社の特性を大切にする州祭りの特性の現われでしょう。
というわけで、祭りが行われる神社名を日程別に整理してみました。
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体育の日(10月第2月曜日)前の土日
津田天満神社、蒲田神社、生矢神社、大宮八幡宮、佐保神社、二之宮神社、熊野神社、正八幡神社、甲八幡神社、竹田秋祭り、糀屋稲荷神社、安田稲荷神社、春日神社
10月第2土日
朝来市生野町、兵主神社
10月8日・9日
浜の宮天満宮、恵美酒宮天満神社
10月10日・11日
高砂神社
10月13日・14日
曽根天満宮
10月14日・15日
松原八幡神社、湊神社、大塩天満宮
10月15日・16日
伊和神社
10月17日・18日
英賀神社
10月第3土日
荒川神社
10月21日・22日
魚吹八幡神社
10月下旬の土日
富嶋神社
あなたが行ってみたいお祭りの日程を、ぜひチェックしてみてくださいね!
「播州秋祭りはこんな祭りだ!」動画ダイジェスト
播州秋祭りで人気のある祭りを3つ、動画と合わせて紹介したいと思います。
灘のけんか祭り 2014/10/15 神輿合わせ・松原露払い
毎年10月14、15日に盛大に行われる「灘のけんか祭り」は、通称「灘まつり」と言います。姫路白浜・松原八幡神社の秋の大祭で、勇壮さと華やかさが売り物です。3基の神輿をぶつけ合うパフォーマンスと、7台の豪華な屋台の練り合わせがあります。
平成26年大塩天満宮毛獅子道中舞・宮本
播州は、「播州獅子どころ」と言われるぐらい獅子舞も盛んな地域です。その中でも大塩の獅子舞は特に有名です。頭から尾の先まで黒毛で覆われた毛獅子というのは、獅子舞の中でも類を見ない珍しい姿です。
平成26年 曽根天満宮秋祭り 本宮
兵庫県高砂市の曽根天満宮で、毎年10月13日と14日に行われるお祭りです。2トン近い布団屋台と呼ばれる神輿の勇壮な練り合わせや、時代絵巻のような「一ツ物神事」、10m余りの青竹を地面に打ち付ける「竹割」、「お面掛け」や「奉納相撲」などが行われます。
播州秋祭りの屋台がすごい! 屋台の由来を徹底解説
日本の祭礼で使われる、引いたり担いだりする出し物の事を「山車(だし)」と言いますが、それには、ダンジリ、屋台、太鼓台といった種類があります。播州秋祭りでは「屋台」が主役となっていて、これは担ぎ型の太鼓台のことを意味します。
播州秋祭りの屋台には、「神輿屋根型屋台」と「布団屋台」があります。前者は、黒光りの漆屋根に金銀の錺金具を施したもので、後者は布団を三層に重ねたものです。
どちらも、英雄豪傑の彫刻や、豪華絢爛な刺繍や錺金具などの装飾が見事なんです! 神輿屋根型屋台は大塩天満宮などで、「布団屋台」は曽根天満宮などで見られます。
ところで、太鼓台と呼ばれる山車は、大阪、兵庫などの関西から四国、中国、九州地方に見られますが、特に瀬戸内海沿岸地域に広く分布しているようですね。
瀬戸内海沿岸の太鼓台は布団屋台の系統に当たります。神輿屋根型屋台は完全な播州独自の型だとされていて、全国的に見られる神輿を豪華に飾り付け、太鼓台にして山車にするスタイルは、他の地方では見られないものとなっています。
また、さらに豆知識ですが、布団屋台は「反り屋根型布団屋台」と「平屋根型布団屋台」の2つに分類できるようです。
播州秋祭りの日程<2016>まとめ
いかがだったでしょうか? ここまで主に日程やオススメ動画、最後に屋台の知識を紹介してきたわけですが、結局のところ、神輿と屋台(太鼓台)は、どう違うのでしょうか?
その理由ですが、同じ地域に住む人々が共通して祀る神道の神を氏神(うじがみ)といい、氏神が守ってくれる範囲に生まれた人のことを氏子(うじこ)言います。
神輿は、神体を安置して神社から氏子地域に向けて かつぐ輿(こし)のことです。したがって神輿は神社の所有物です。それに対して、太鼓台などの山車は、氏子地域からの出し物であって、神輿渡御のお供や露払い、練りによる神前での奉納といった意味があります。
要するに太鼓台は、氏子地域の所有物なので、地域庶民に根差した装飾などが可能な訳です。こういう理由から、播州の神輿屋根型屋台の神輿は、本当の神輿を使っている訳ではないと思われます。