日本では、ここ数年間で、ハロウィンにちなんだイベントが盛大に行われるようになりましたね。

ゾンビや魔女やアニメキャラクターに仮装した若者が繁華街に繰り出し、テーマパークや飲食業界、百貨店や商店街がハロウィン商戦を盛り上げる…今やクリスマスに迫るような賑わいです。

その経済効果は1200億円超で、5年前の3倍超だとか。バレンタイン市場が1080億円程ですから、完全にそれを上回っているのです。このハロウィンブームは何が原因で生じているのでしょう?

日本人は本当にハロウィンの事を理解しているのでしょうか? また、そんな日本人に対する海外の反応はどうでしょうか? 今回は、そんなことを記事にしてみました。

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ハロウィンが日本でバカ騒ぎするようになった理由

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ハロウィンが日本で注目され始めたきっかけは、やはり東京ディズニーランドの催しからだったようです。1997年10月31日に「ディズニー・ハッピーハロウィーン」が開催されました。これは入園者が仮装して園内に集まるというイベントでした。

そして、2000年10月31日には、「Happy Halloween Twilight Parade」が開催され、仮装した400名の入園者とディズニーキャラクターが一緒に園内をパレードしました。これらの催しが発火点となって、ハロウィンイベントが盛り上がりを見せるようになりました。

これには日本人の2つの文化的特徴が影響していると思われます。1つは、欧米の文化は容易に受け入れるという特徴。もう1つは、日本独特のコスプレ文化です。

この2つの特徴に付け加えて、商業主義とSNSによる動員力が、イベント盛り上げに大きな効果をもたらしています。例えば、2014年に渋谷で盛り上がったイベントは、レノボ・ジャパンが仕掛けたSNSの効果によるものだったようです。

仮装がメジャー化したのは、川崎や原宿などのハロウィンパレードがきっかけだとも言われています。

ちなみにこちらが2015年の「ディズニー・ハッピーハロウィーン」の様子を収めた動画です。楽しそうですね!

▼TDL ディズニーハロウィーン2015 ハッピーハロウィーンハーベスト スニーク

日本人は本当にハロウィンの意味を理解できているのか?

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ハロウィンイベントに参加している人の中で、どれだけの人がその意味を知っているでしょうか? 私(筆者)は案外多いのではないかと思っています。なぜなら、ネットが普及している今は、その意味を知ることなどすぐにできることだからです。

かつて、クリスマスの意味を知らずにクリスマスを祝っていた私達の子供時代よりは、今の若者は、クリスマスもハロウィンも、その意味をしっかり把握しているでしょう。

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ハロウィンは魔除けの儀式であり、秋の収穫祭の儀式でもあるのです。ですから、本場のハロウィンは、こじんまりしたパーティ程度に盛り上がるものでしょう。しかも子供が主役です。

日本の場合は、若い大人が大勢で盛り上げていますよね。これは欧米のハロウィンとの大きな違いです。ここには、共感と感動を共有したいという、今どきの日本の若者気質があるでしょう。

海外のハロウィンは、共感と感動を求めるようなものではありません。そして、日本の場合、お祭り騒ぎになるのは都会ですよね。都会では秋祭りが廃れてしまっています。

秋に若者が集まって感動できるイベントが欲しいという欲求も、ハロウィンイベントを盛り上げる1つの要因になっているのかも知れませんね。

日本のハロウィン…海外の反応は冷ややか?

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日本国内では若者がコスプレして、真夜中に路上でバカ騒ぎする様子を批判する大人も多いですが、海外の反応は、日本のハロウィンブームに概ね好意的ではないでしょうか? ネットで調べてみても、それほど批判的なものはありません。

ただし一部では、批判的な口調で「日本人はハロウィンの意味を理解してないと思うね。日本とハロウィン、文化的に一体どんな接点があったというのだろうか? これはクリスマスと同じでマーケティングの策略に乗っかってしまってるだけだろう」とコメントしているアメリカ人がいました。

それに対して、「彼らは単純に楽しんでるだけだと思うよ。パーティーを楽しむのに理由なんているかい? そんなことは楽しめればどうでも良いのさ。」とコメントするアメリカ人がいたりします。

ニュースサイトにはやや批判的な解説があります。「普段は控えめな日本人にとって、ハロウィンは羽目を外す完璧な言い訳」と解説するサイトがありました。

中には、「女性は男性のバンパイア姿を好み、男性は女性の魔女姿を好むのが一般的なのに、日本では、女性はセクシーナースでいっぱいだし、男性のバンパイアなんてほとんどいない。道理で少子化が進むはずだ」と皮肉るジャーナリストもいて、日本のハロウィンを奇妙だと言っています。

だけど、イベント終了後の一斉ゴミ拾いは、海外から高評価を受けているパフォーマンスですね。

ハロウィンは日本にいつから? まとめ

「ハロウィンは日本のお盆のようなもの」とよく言われます。もしかすると、地域の盆踊りで子供がはしゃいでいる賑わいを想像すれば、海外でのハロウィンの盛り上がりイメージに近いものがあるのかも知れません。

そんな小さな賑わいを求めるか、大きなイベント的盛り上がりを求めるかは、人それぞれの自由で良いのだと思います。日本のハロウィンは、人の繋がりを求める「ゆとり世代」が盛り上げているという見方があります。

ハロウィンは、庶民が魔除けのために邪悪な者に変装する催しです。日本の若者は、ハロウィンの伝統を、「ストレス発散」という現代風の魔除けにうまく変化させることができたのかも知れませんね。

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