ひな祭りで飲まれるので有名な「甘酒」。そしてもう一つ飲まれるものとして、意外に知られていないのが「白酒」。
かくいう私(筆者)も甘酒は好きですが、白酒は飲んだことがないんですね。なので、今年はチャレンジしようと思っています。
また、私が好きな甘酒は、湯に溶いた酒粕に砂糖などで甘みをつけたものですが、実は正式な甘酒って作り方が違うんですよ。
おそらく白酒や正式な甘酒を飲んだことがない人は、意外と多いのではないでしょうか?
という訳で、今回はひな祭りに出される白酒と甘酒はなぜ飲まれるのか? その違いは? また正式な作り方やオススメの甘酒を徹底調査してみましたので、早速見ていきましょう!
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目次
ひな祭りに白酒と甘酒を飲むようになった理由とは?
甘酒と白酒の違いを解説
まずいきなり結論からですが、端的に言うと……
「白酒」=アルコールが入っているお酒
これが決定的な違いです。それでは、そのルーツを見ていきましょう。
意外に知られていないのですが、昔の女性は普段から飲酒の習慣がありませんでした。
そこで慶長元(1596)年に創業した由緒ある酒屋「豊島屋」の創業者豊島屋十右衛門が桃の節句に女性でも飲めるように白酒を開発しました。
「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」をキャッチフレーズに大々的に売り込むことで白酒が世間に広まりました。
しかし、白酒にはアルコールが入っているために子供には飲ませられませんでした。
そこで女の子を祝う桃の節句に、子供でも飲めるようにと作られたのが甘酒なんですね。
白酒が生まれた伝説
上記から白酒が先に誕生し、その後に作られたのが甘酒ということになります。それではなぜ白酒が生まれたのでしょうか?
その由来の根拠として、2つの説が有力と言われています。ということで、その2つの説を解説していきます。
大蛇伝説
ひな祭りに白酒が飲むことは、厄除け、厄払いに効果があるとされていますが、その根拠として、このような言い伝えがあります。
これが「大蛇伝説」です。
体内を浄化する意味で伝説の通り、3月3日に白酒が飲まれるようなったと言われているんですね。
この伝説は、女性の祭りにふさわしい言い伝えと言えるでしょう。
「桃香酒(とうかしゅ)」説
中国の酒で「桃香酒(とうかしゅ)」というのがあります。もともと白酒は中国の桃香酒のことを指していたらしく、これはその名の通り「桃の香りのするお酒」です。
この桃には2つの効果があると言われています。
このような理由から、邪気払いと不老長寿を願って、上巳の節句に飲まれたという言い伝えがあります。
この桃香酒が、日本で「白酒」になったという説もあるんですね。
ちなみにそんな「白酒」のお祭りがあるのをご存知ですか? 白酒で鬼退治という珍しいコンセプトのお祭りなんですね。
そこでこんな動画を見つけましたので、こちらも参考までに見てみることをおすすめします。
▼北区 熊野神社で鬼退散の白酒祭り
結局、白酒と甘酒ってどう違う?
白酒と甘酒の違いとは?
前述でざっくりと「白酒」=お酒、「甘酒」=お酒じゃないとお伝えしましたが、さらに深堀りしていきたいと思います。
まず白酒は、アルコール度数が10%前後で甘みが強いのが特徴です。対して甘酒は、アルコール度数1%未満ですから、子供に飲めるんですね。
「ん? アルコールが入っているのに、子供は飲めるの?」
と疑問が湧いてくると思うのですが、アルコール度数1%未満は、「アルコール飲料」と呼ばれる定義から外れるんです。
なので、巷で流行っている「ノンアルコール飲料」は、実は「アルコール0」じゃないんですね。これ余談ですが。
そしてお酒は原則、自主製造は禁止されているので、白酒は自宅での製造は不可。そしてアルコール飲料ではない甘酒は、自宅でも製造が可能です。
また製造方法における大きな違いは、出来る期間ですね。白酒は数週間かかりますが、甘酒は一晩で完成したりします。
両方ともひな祭りに飲まれていますが、その起源にも違いがあります。白酒にはそれなりの理由がありますが、甘酒が飲まれる理由は「子供の為」いう単純なものとなっています。
白酒と甘酒の作り方
前述で製造方法の期間の違いを記載しましたが、製造方法そのものの違いを詳しく説明します。
白酒
2. 数週間、醸造して臼で引き下ろす。
アルコール度数が10%前後あり、酒税法ではリキュールに該当する為、先ほども説明しましたが、個人で勝手に作ることはできません。
甘酒
2. 昼夜55度前後の温度で保温して完成
白酒に似た飲み物として作られましたが、こちらは一晩で作れるので「一夜酒(ひとよざけ)」とも呼ばれます。
こちらは前述で書いてある通り、アルコール飲料に該当されない為、自宅で製造することが可能です。
規格外!超高級白酒とリッチな甘酒を紹介!
せっかくのひな祭り。たまにはリッチな白酒や甘酒を味わいたい! と思っている方に、ここでは超高級な商品を紹介していきます。
貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)
この酒は、中国貴州省特産の高粱(カオリャン)を主原料とする蒸留酒で白酒の一種です。名前は産地の茅台に由来します。飲み干しても香るぐらい強い芳香があるのが特徴です。
中国の元主席の毛沢東が当時のアメリカのニクソン大統領を、また周恩来が田中首相をこの酒でもてなし、中国では時々お祝いの宴席で乾杯に用いられることなどから、まさに国酒といえる酒です。
香りの良い酒ということから、ぜひともいつか飲んでみたい白酒ですね。
国菊(くにぎく)あまざけ
酒粕を湯に溶いて砂糖で甘みをつけた甘酒ではなく、米を麹で糖化させた正当な甘酒です。糖類などの添加物はいっさい使用しておらず、国産米と麹だけを原料に使っています。
地下で何十年もの歳月をかけて磨かれた阿蘇山系の伏流水で仕込んでいるため、きれいな味わいに仕上がっています。麹は味噌などに使うものではなく、清酒用の麹菌を使用しています。
まさに、リッチな甘酒と言えるわけで、大人の私でも、ぜひいつかは飲んでみたいと思う逸品だと言えるでしょう。
ちなみに気になるそれぞれのお値段ですが、画像をクリックすれば商品ページに飛びますので、驚愕してください^^
ひな祭りの「白酒」と「甘酒」 まとめ
いかがでしたでしょうか? 白酒の伝説は魅力的ですが、甘酒はすごく現実的な理由で作られたのですね。白酒と甘酒の作り方の違いや特徴の違いも面白いものがあります。
当然白酒は子供に飲ませることはできず、甘酒は飲ませることができるのですが、酒粕で作る甘酒を子供に飲ませると酔っぱらうので止めた方が良いでしょう。
日本人は昔から、季節の変わり目の節句には、「お祓い」や「お清め」のためにお酒を飲んでいました。ひな祭りに白酒や甘酒を飲むのは、そういう習慣の名残りなのですね。
白酒をまだ飲んだことのない私は、どうせ飲むなら、超VIPの高級酒の貴州茅台酒を飲んでみたいですね。ひな祭りにこれを飲んでしまうと、主役は娘でなく父親になってしまうでしょうか(笑)?