私(筆者)は最近までボジョレーヌーボーは高級ワインだと思っていました。解禁日になると、あんなに日本でも大騒ぎになるからです。実は、ボジョレーヌーボーの輸入量第1位は日本なんですね。全生産量の約4分の1を占めているそうです。
それだけ需要が多いのに、日本でのボジョレーヌーボーの価格はピンからキリまでまちまちです。また、本場のフランスではボジョレーヌーボーは比較的安価だということです。どうやら、ボジョレーヌーボーは高級ワインという訳ではなさそうです。
今回は、「ボジョレーヌーボーの価値を価格の面で考えてみましょう」ということがテーマとなります。それでは行ってみましょう!
目次
ボジョレーはどこが一番安い? 販売店ごとに比較してみた
まずは、販売店ごとに、昨年のボジョレーヌーボーの価格比較をしてみましょう。容量は全て750mlで、価格は税込み表示です。安い順に並べてみます。
【ボジョレーヌーボー】
1位 ドン・キホーテ
オリジナル ロベール・サルー ボジョレー・ヌーボー 733円。
2位 西友
フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヌーボー 940円
3位 イオン
トップバリュ ボージョレ・ヌーボー 1,058円
4位 ローソン
ボジョレー・ヌーボー デザイナーズラベル 1680円
1位の「ドン・キホーテ」と4位の「ローソン」は約2倍の開きがあるんですね。いずれもオリジナルなので、味の違いもあると思うのですが、詳しいことは後述で説明します。
続いて、1ランク上の「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー」の価格ランクです。ちなみに「ヴィラージュって何?」という方はこちらの記事をご覧ください。
【ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー】
1位 西友
フランソワ・フッシェ ボジョレー・ヴィラージュ・ ヌーボー 1,274円
2位 イオン
トップバリュ ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー 1,382円
3位 ドン・キホーテ
カーヴ デュ シャトー デロージュ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー キュベ・ノンフィルター 2354円
4位 ローソン
アンリ・フェッシ ロワ・カリテ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー 2,480円
こちらも1位の「西友」と4位の「ローソン」で倍近くの価格差がありますね。
ちなみにこちらは、「ボジョレー・ヌーボー」の最安値の「ドン・キホーテ」による2014年に行われた解禁日イベントです。今年も開催されるのでしょうか?
▼11月19日(水)23:40~ボジョレー・ヌーヴォー解禁イベント@ドン・キホーテ六本木店
何でこんなに価格差が出るのか?
要因は3つ
日本で売られるボジョレーヌーボーの価格がまちまちなのはなぜでしょう。その理由は主に次の3つです。
2. 日本への輸入コストが異なる
3. 上ランクのボジョレーヌーボーの存在
次にそれぞれの理由について解説しましょう。
3つの要因を掘り下げます
1.については、ボジョレーヌーボーは、フランスのボジョレー地区で、その年の夏に獲れたブドウをすぐに醸造して造るワインですが、地区の中にも様々な生産者がいます。
当然、ブドウの育て方や醸造方法が生産者によって違っていて、厳しい品質検査でいくつかの条件をクリアしても、味・品質・値段に違いが生まれるのです。
2.の理由は、価格の違いに大きく影響します。日本に運ばれるまでのコストというのは、輸送運賃だけのことではありません。例えば、生産者側と日本の商社・会社との契約金額なども影響します。
商社などを介さず、生産者と販売店が直接契約を結ぶと、価格はだいぶ違ってきますね。容器をビンにするか、ペットボトルにするかでもコストは変わってきます。
3.は、ランクが上のボジョレーヌーボーが存在することを無視して、同じ銘柄という扱いでボジョレーヌーボーを売ろうとする販売店があるから、ボジョレーヌーボーに価格差があるように見えてしまうということです。
やっぱり安いボジョレーはまずいのか?
そもそも作られた目的が違う
結論から言うと、安いボジョレーヌーボーがまずいとは限りません。元々、ボジョレーヌーボーは試飲用ワインとして開発されたものなので、上質の味を楽しむ目的はないのです。
「基本的にはフレッシュな味わいを楽しむためのワイン」と専門家は言っています。そのため、価格もそれなりに安くて当然なのです。
そういう意味では、普通のボジョレーヌーボーより1,000円程価格が高いボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボーを強いて求める必要はないのです。
価格=価値の勘違い
重厚感を求めて4,000円や5,000円ものボジョレーヌーボーを買うのは、少し勘違いしていると思います。それだけのお金をかけるなら、ヌーボーではないボジョレーワインを買った方が良いでしょう。
一般的に値段と品質はある程度比例しますよね。ですから、あまり安いボジョレーヌーボーを求めるのも間違っています。かなり質が良くて手頃なボジョレーヌーボーは、2,000円〜3,000円ぐらいだと言えるでしょう。ただし1,000円以下のものは買わない方が良いと思います。
ボジョレーヌーボーの値段の違い まとめ
いかがでしたか? 価格差に関しては、「生産者」「輸送等のコスト」「ランクを知らないことによる勘違い」の3つの要素が絡んでいることが分かっていただけたのではないかな? と思っています。
ちなみに日本人は「初物」好きですね。お酒でも新酒を尊びます。ボジョレーヌーボーは、そんな日本人の気質に合ったので日本で広まったのでしょう。
さらに、日本で獲れる野菜や果物や魚介類などに合い、さっぱりした味の特徴も日本人受けした理由かも知れません。
そして、本来、ボジョレーヌーボーは、「とりあえずビール」と言って気楽に飲むビール感覚で飲んで良いワインなのです。
こういう気楽さが合うワインだと思えば、特に高価なものを求める必要性もなくなりますね。今年は、2,000円ぐらいのボジョレーヌーボーで、庶民的リッチ感を味わいましょう。