今年も「ボジョレーヌーボー」の解禁で、日本は例年通り、盛り上がりそうですね! 私(筆者)は毎年解禁日に、必ず気の合う仲間たちとカウントダウンに合わせて、乾杯するのが恒例行事です!
そんなボジョレーヌーボーには、ランクがあるのはご存知でしたでしょうか? だいたい大きく3つに分かれているのですが、一般的なものよりワンランク上の「ヴィラージュ」と呼ばれるワインは、その中でも私(筆者)が大好きなワインです!
ということで、今回はこの上位ランクの「ボジョレーヴィラージュヌーボー」について、詳しく説明していきたいと思います。それでは行ってみましょう!
目次
「ボジョレーヴィラージュヌーボー」を詳しく解説!
「ボジョレーヴィラージュヌーボー」 とは?
まず軽くおさらいになりますが、ボジョレーヌーボー(Beaujolais nouveau)の「ボジョレー」は、フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区の名前です。「その地区内で生産されている」という意味です。
「ヌーボー」は「新しいもの」という意味。このワインは醸造期間が数か月と短いのが特徴で、11月の第3木曜日が解禁日となっていて、よくニュースにもなりますね。
その年に収穫されたガメイ種ぶどうを使い、マセラシオンカルボニック(炭酸ガス充填法)で醸造される赤ワインの新酒がボジョレーヌーボーとなります。
そのボジョレーヌーボーの中でも、「ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーボー」は1ランク上のワインです。「ヴィラージュ」はフランス語で「村」のこと。ボジョレーヌーヴォーとの違いは生産地の違いで、ボジョレー地区の中でも限られた地域のぶどうから造られた新酒です。
その地区は「ボジョレーヴィラージュ地区」と言われています。フランスのワイン分類のひとつに、「AOC」というのがあって、ボジョレーは、この「AOC」で 4種類に分類されています。最高級のワインの中で、地方名・地区名・村名・畑名の順に範囲が狭まり、規定は厳しくなります。
ちなみに下記がヴィラージュ地区の位置になりますが、本当にのどかで何もなさそう……。
AOCボジョレーは96ヶ村が製造していて、そのうちの46ヶ村がボジョレー・ヴィラージュのAOCを名乗ることができます。葡萄の収穫量やアルコール度数などの基準が普通のボジョレーより厳しいので、ランクが上となるのです。
気になるお値段は……やっぱり高いんでしょ?
当然価格も普通のボジョレーより高くはなりますが、驚くほど高価という訳ではありません。一般庶民でも十分楽しめる価格ですよ。味は普通のボジョレーより濃さと繊細さと優雅さがあって、舌の上でいつまでも転がしていたい味です。
こちらは日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザーが、2008年のボジョレーヴィラージュ・ヌーボーを試飲している動画です。
▼ボジョレーヴィラージュ・ヌーボー2008解禁
2016年のヴィラージュの新酒はこれだ!
2015年のボジョレー・ヴィラージュのコンクールで1位と2位になったヴィラージュを、評価コメントをまとめる形で紹介しますね。
【1位】2016年産新酒 ドメーヌ・シャサーニュ〈ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー〉【赤】2480円
昨年、某レストランで開催した「2015ボジョレー・ボー・パーティ」では、「これ、本当にヌーボーなの?」と、参加者が驚いて大好評となりました。
濃い赤紫の色と香り、味わいとも、ヌーボー独特のフレッシュ感がありながら、しっかりしたコクと余韻の長さがあって、最も濃厚なタイプのヌーボーとなっています。
【2位】2016年産新酒 フランク・サンカン〈ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー〉【赤】2480円
これは「一貫して古典的なスタイルを守り通すヌーボー」。濃厚で深みのある色合いに、コクとまろやかさで調和が取れた絶品の味です。
「フランク・サンカンの風味は何度味わっても飽きることがない」とツウな人は言います。濃厚でエレガントなタイプのヌーボーと言えるでしょう。
ちなみに、シャサーニュとサンカンのヌーボーは1〜2年熟成させても飲める「異例のヌーボー」だそうです。
さらにワンランク上の最高級ワイン「クリュ・ボジョレー」とは?
ボジョレー最高級品「クリュ・ボジョレー」とは?
AOCで分類されるボジョレーには、地方名である「ボジョレー」、地区名である「ボジョレー・シュベリュール」、村名の「ボジョレー・ヴィラージュ」、畑名の「クリュ・ボジョレー」があります。
この順番に生産範囲が狭まるので、先でも述べたように、この順で厳しい基準をクリアした高品質のワインとなります。
従って、クリュ・ボジョレーはボジョレー・ヌーボーの中でも最高級のワインと言えます。この名は、フランス東部ブルゴーニュ地域で生産されているボジョレーワインのうち、特に優れたワインを生産している10地区の村に与えられたAOCの総称です。
ラベルでの見分け方
クリュ・ボジョレーは規格ではないため、「ボジョレー・ヴィラージュ」か「ボジョレー」に属することになります。ラベルにある次の村名で見分けましょう。
- サン・タムール(St. Amour)
- シェナス(Chenas)
- ジュリエナス(Julienas)
- シルーブル(Chiroubles)
- ブルイィ(Brouilly)
- コート・ド・ブルイィ(Cote de Brouilly)
- フルーリー(Fleurie)
- ムーラン・ナ・ヴァン(Moulin a Vent)
- モルゴン(Morgon)
- レニエ(Regnie)
ボジョレーヌーボーの「ヴィラージュ」 まとめ
いかがでしたでしょうか? 「ヴィラージュ」 の価値が少しでもあなたの理解に繋がったなら、嬉しいです! 記事でも書いている通り、べらぼうに価格が上がるわけでもないので、年に1度のイベントですから、よりいいものを飲みたいですよね。
ただし購入するときの注意点として、ラベルはちゃんと見ましょう。日本に輸入されるフランスのAOCワインは、ラベルの表示方法が決まっています。
と書かれた〇の部分に原産地名が入ります。ボジョレーヴィラージュ(Beaujolais Villages)はVillagesの表示があるので分かりますが、クリュ・ボジョレーは原産地で見分けるしかありません。
このことを知っておいて、Villagesでクリュ・ボジョレーを生産する村名があるものを選べば、まず最高ランクのボジョレーだと言えるでしょう。