「う〜さぎ うさぎ♪ 何みては〜ね〜る♪ 十五夜お〜つきさん みて は〜ね〜る〜♪」大きくてまあるいお月様と、うさぎが飛び跳ねて遊んでいる様子が浮かんできますね。
ふと、疑問が浮かびました。月にはうさぎがいるのでしょうか？ 「月うさぎ」という言葉も聞いたことあるし「お月様でうさぎが餅つきしてるよ」小さいころ、どこかで聞いた話です。
なぜ、お月見とうさぎがセットになって登場するのでしょう？ 単なる言い伝え？ それとも、私の両親の作り話？ おばあちゃんの伝説？ 調べてみたら、すごかった！！ それでは早速見ていきましょう！！
そもそもなぜお月見にうさぎが登場してくるの？
昔の日本では月に映る影（うっすら黒く見える部分ですね）を見て、「うさぎの形」を連想したところから始まります。
そして、日本古来神話の世界にたびたび登場するのが、この「うさぎ」です。今でも山の神様、神様のお使いとみなす信仰もあり、神様と人間、両方に近い存在だったのでしょう。
「月のうさぎ伝説」のほかにも、「因幡の白兎（いなばのしろうさぎ）」は、とても有名ですね。
こちらはその「因幡の白兎」の物語の動画です。結構、感動しますよ！
▼【動く絵本】 因幡の白兎 [Hare of Inaba]
「月のうさぎ伝説」って本当なの？
「月のうさぎ伝説」の元となるお話が今昔物語集などによって多く語られているのです。これが……衝撃の結末です！
話の由来は、天竺（てんじく＝昔のインド）にありました。
むかしむかしてんじくに、ウサギとキツネとサルがいました。3匹は生まれ変わる前、悪いことをしたためにけものにされてしまったのです。
でも今は、誰かの役に立ちたいと、いつも思っていました。そこへ一人のおなかをすかせたみすぼらしい老人がやってきます。3匹はこの老人を助けようとそれぞれに出かけていくのです。
サルは山から木の実を、キツネは魚や貝をとってきて、老人に食べさせてあげました。そんな中、ウサギだけが食べ物を見つけられません。この老人の力になりたい。そこから、あることを思いつきます。
ウサギは、サルとキツネに言うのです。「とってもいいものもってくるから、たき火をして待っててよ」サルは木を拾って、キツネは火をつけて待ちました。ほどなく、ウサギがやってきます。しかし、ウサギは何も持っていません。
「おや？何ももってないじゃないか！だまされた！」するとウサギは言いました。「一生懸命さがしたけれど、なにもみつけられなかった。せめて、私を食べてください」ウサギは火の中へ飛び込んで死んでしまいました。
これを見た老人、実は、帝釈天（たいしゃくてん）という神様で、3匹の行いを試そうとみすぼらしい老人の姿で現れたものでした。釈天はウサギを哀れみ、火に飛び込んだ姿を月に映し出したのです。
月を見るたび、献身的なウサギの姿を人々の心に焼き付けたのでした。
ウサギは、自らの命をもって他人のために尽くす……深い。深いです！ 仏教説話から作られているお話しのようですが、ウサギによる究極の隣人愛と懺悔の心は、はかりしれません。
このお話によっても、「月にうさぎが映し出される＝献身的姿の象徴」として人々の心に残ってきたのでしょうね。
お月見うさぎは日本だけ？ 月の見え方を国別に解説！
月は、見える角度に違いはあるものの、世界中どこからみても同じ表面が見えています。同じ模様ですが、国や文化によってとらえ方はさまざま。月の中の白く見える部分から想像している国もあるんです。
白い部分・黒い部分どちらをみているのか想像してみてください！
韓国：うさぎ
中国：：薬草をつくうさぎ、かえるなど
モンゴル：：犬
インドネシア：：編み物をしている女性
ヨーロッパ：：大きなはさみをもつカニ、女性の横顔、本を読むおばあさん
アメリカ：：女性の横顔
南部アメリカ：：ワニ
世界中：：水を汲む人
その他にも「ハサミが一つのカニ」「ほうきにまたがった魔女」「鬼」「怪物」などなど、国・地域によって、月は色んな見え方があるんですね！
お月見うさぎの由来 まとめ
いかがだったでしょうか？ 月とうさぎの関係は、月面の模様から、うさぎを連想するだけのものと思っていました。けれども、説話の切ない結末は、私の心をゆさぶり、光と影の影の部分をしっかり見届けることになりました。
ちなみに「今年のお月見って、いつ？」と疑問に思う方のために、こちらに記事を書きましたので、合わせてご覧くださいね。
私たちは帝釈天の導きによって、月をみるたびに心にしみる思いをしていたのです。それとは反対に、まあるく映える月をみて、今日は何を連想しますか？ ご家族と、友人と、月を見上げて、連想ゲームを楽しんでください！
