一般的に6月〜10月と言われている台風シーズン。この期間は夏休みやシルバーウィークがあることもあり、海外・国内旅行の計画を立てている方も多いですよね。
せっかく企画したのに台風で交通機関が止まっていたり、肝心の飛行機が欠航して旅行が台無し…なんてのはまだ幸運な方。台風を甘くみていたばっかりに、家が倒壊してしまったり、命に関わる被害に巻き込まれてしまうこともあります。
今回は関東の台風時期と被害について書いたので、しっかり頭に入れて安全に過ごせるように準備しましょう!
関東地方で一番台風が多い時期は9月だ!
気象庁の過去10年程の記録を見てみると、関東甲信地方には8月〜10月に台風が接近しているのがよくわかります。中でも多いのが9月で、2015年9月7日に発生した台風18号は、関東地方と東北地方で記録的な大雨を記録し、各地に大きな爪痕を残したことは記憶に新しいですよね。
台風18号は、9日に愛知県に上陸した後、日本海へ進み温帯低気圧に変わりました。この低気圧に向かって湿った空気が流れ込んだ影響で西日本から北日本にかけて広い範囲で大雨となり、群馬県では鬼怒川が氾濫し500人以上が孤立状態になるなど、死者が出る大きな被害となりました。
特に近年は日本付近の海水温度が上がり、2015年の台風18号のようにいつまでも勢力が衰えずに接近してくることもあるので、9月の台風は注意が必要です。
この動画は2015年の台風18号の猛威を記録しています。孤立した住民たちを救助する様子ですが、まさか住民たちも自分たちがこんな状況に置かれるとは思っていなかったはずです。
▼懸命の救助活動 鬼怒川が欠壊、取り残された住民
なぜその9月に関東地方は台風が多いのか?
地方によって、台風が多いシーズンは異なります。例えば,沖縄や鹿児島などの九州地方は8月、青森や秋田などの東北地方は関東と同じく比較的9月に接近が多いことが観測されています。ここではその理由を解説しますね。
6月、7月は日本列島が太平洋高気圧に覆われているため、台風が発生しても日本には近づけず、北上していきます。しかし、9月になると太平洋高気圧の威力が弱まるため、今まで通れなかった日本列島に接近、上陸出来るようになるのです。
そして9月を過ぎると、今度は北からの高気圧が強くなるため、台風は日本より南側を通ることになります。日本列島の位置と四季が台風の通過点に関係していたんですね。
こちらのホームページで、関東地方の台風接近の時期が予想されていますよ。
気象庁 関東甲信地方への接近率
関東地方の過去の台風被害は?
過去の台風での被害を調べてみると、関東地方ではほぼ毎年被害を受けていることがわかりました。その中でも大きかった事例をピックアップしてみたので関東地方に住んでいる人は知っておきましょう。過去に被害があったということは、台風が発生した場合、同じような被害を受けやすいということです。
死者8名、負傷者79名
前項でも紹介しましたが、記憶に新しく大きな被害をもたらした台風です。
その被害額は農林水産省が出した額だけでも600億円と言われています。
死者6名、行方不明者1名、負傷者143名
台風に伴う雨雲の影響で広い範囲で大雨となり、栃木県、埼玉県、群馬県では竜巻が発生。
死者19名、行方不明者1名、負傷者425名
東京都江戸川区江戸川臨海では最大風速が30.5m/s となり、統計開始以来の観測史上1位を更新
関東各地で住家損壊、土砂災害、浸水害等が発生した。
その他にも、農業・林業・水産業被害や停電被害、鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等による交通障害が発生した。
台風の時期<関東地方編>まとめ
関東地方の台風被害について調べていくと、大きな被害が目立ちましたが、事前対策で防げる被害も多い事に気が付きました。例えば簡単な事ですが、事前に雨戸をしっかり閉め、家周辺やベランダの飛散しそうな物を片付けることで窓割れによる怪我や落下事故を防ぐ事が出来ます。
浸水や倒壊などで家から出れなくなってしまった最悪の場合も考えて、非常食や懐中電灯を常備し、大切な貴重品や家財などは高いところでの保管をおすすめします。
今では気象庁の台風情報をリアルタイムで配信してくれるアプリがあったり、手軽になんでも調べる事が出来る時代です。もしもの事を考えて用意しておくことは、災害時に焦らず判断出来る心を養うことだと思います。