新年を迎える為の飾りとして、いろんな家庭でも飾れる門松。他にもいろんな飾りがありますが、どんなものでも、「いったい、いつから飾るようになったのか」「どうして飾るのか」とか……。
「そもそもなんで門松っていうの?」「六つ子と関係があるの?」「誰が作ったの?」などなど。起源や由来、気になりだしたら止まりませんよね。
私もそうです。特に、歴史が大好きな人にとっては、そうした古い文化のルーツを知るのも、ひとつの楽しみですよね。
そこで今回はそんな門松の由来、そしてあの有名武将との関係を調べてみちゃいました! いったいいつから門松は存在しているのか。徳川家康、そして武田信玄との関わりとは……そんな疑問を解明していきましょう!
目次
門松の由来は平安時代にあった!
門松の歴史を振り返る
門松の歴史は室町時代からと言われますが、その風習の基盤はもっと古く平安時代にまでさかのぼります。実際、今のように玄関の前に門松を飾るようになったのは、室町時代なのです。
ですが、その元になったのは平安時代、貴族たちが好んだ行事に「小松引き」というのがあります。これは外に出て、本当にただ小松(若い松)を引いて持ち帰るもので、これを、長寿祈願の為に愛好していた風習が、門松へと変わっていくのです。
平安時代の根拠
それを証明する物として、『本朝無題詩(ほんちょうむだいし)』という詩を納めた文献の中に以下のような言葉があります。
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要は、「皆松を玄関に挿していたよ」という事で、平安時代からお正月に玄関へ松を飾っていたそうなんですよね。
こちらは愛媛県で行われる「とうどおくり」、所謂どんと焼きの光景ですが、これらもまた、平安時代から行われた行事なのだそうです。
▼新居大島 とうどおくり Toudo festival at Ni-Oshima island
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あの2人の武将が関係した理由
「門松」と「家康」と「信玄」
そんな古い歴史を持った門松に、実はとある有名武将が深く関係しています。その名も徳川家康、そして武田信玄。戦国時代に名を残した名将たちですよね。
彼らがどう門松と関係があるのかと言うと、門松の竹の部分。これの切り口に「そぎ」と「寸胴(ずんどう)」があるのはご存知でしょうか?
もともと門松の竹はそのまま一本を使って居た物を、家庭に収めるにはあまりに大きすぎ、小さくする為、真っ直ぐに切った「寸胴」が主流でした。
家康の恨み節
1572年、徳川家康唯一の敗北として知られる「三方ヶ原の戦い」が起きます。
これは徳川家康も討ち死に寸前になった戦いであり、彼のもとに居た多くの武将が死んでしまった大きな敗北になるのです。もちろん、家康としても人生が終わるとも知れない大敗で、そうとうな悔しさだったのでしょう。
この大きな敗北を胸に刻み、家康はこう誓いました。
次は必ず武田信玄を斬る!
そして、再び同じ過ちを犯さないという誓い、自分への戒めの形として、門松の竹を真横ではなく、斜めに鋭く切り落としたのです。
これが現在主流の「そぎ」の始まりです。以後、武家の間で門松の竹はこの「そぎ」を標準として、これが庶民にも広がって今の形となったわけですね。
門松に込められた意味とは?
さて、平安の貴族たちの遊びに始まり、家康の屈辱を経て現在へと繋がる門松です。では、その門松にはいったいどんな意味が込められているのかを見てみましょう!
門松の役割
まず門松とは読んで字の如く「門の松」です。門松を玄関に設置するのは、神社の鳥居と同じ役目を意味するのと同時に、我が家に神様を迎える目印となるからです。
まさか神様を裏口に迎えるわけにもいきませんし、玄関に置いておかないと、見えませんよね。そして松には「神を待つ」という意味や「祀る」など様々な意味があります。
ただ、平安貴族の嗜みが始まりである通り、必ずしも松というだけはなく、同じく神様ゆかりの常緑樹、杉、クスノキ、榊などを使う事もあるそうです。この辺りは地域によって違いがあるそうですね。
なぜ門松なのに「竹」?
門松なのに「竹」が使われる理由ですが、こちらは竹のすくすくと成長していく様を子供になぞらえ、自分達の子供が健康に、そして大きく育つようにという願いが込められています。
他にも門松の飾りには梅を使う事もあり、「松・竹・梅」それらがすべてそろう、まさに正月を祝う為の飾りとなっているわけです。
門松の由来・歴史 まとめ
いかがでしたか? 古くは平安時代から、ずっと続いて来た門松。その意味も歴史も奥深いものでしたね。竹などの素材にもちゃんと意味があるのが、日本文化のイイところですよね。
また、その途中では徳川家康と武田信玄、ふたりの武将、というよりは徳川家康主体ではありますが、彼らの思いや決意も籠った門松。
我が家も来年もぜひ飾りたいものです。この記事を読んで「よし !うちも来年は玄関に大きな門松を飾ろう!」となっていただければ嬉しいのですが、大きい門松って、それなりのお値段もしますよね……。
でも、ご安心ください! そんな方に向けて門松を手作りで作る方法を書きましたので、参考までにご覧くださいね、
日本の正月を飾るのに、やはりこれは欠かせないものなのです。