アメリカ人の友人が10月中旬に来日します。そこで、その友人が「今年は必ずモミジを見に連れてってくれよ!」と言われていて、英語があまり得意じゃない私(筆者)はどうしようかと考えていました。
よくよく考えたら「紅葉(モミジ)」を英語で説明するのは、結構難しいですよね? なぜなら、「紅葉(こうよう)」と「紅葉(モミジ)」の違いや、紅葉(モミジ)と楓(カエデ)の違いを説明しなくてはいけないからです。
紅葉(こうよう)は、広い意味で、落葉する前の葉が紅や黄色に色づくことを言い、モミジはカエデの中の特殊なものを指します。カエデは世界に幅広く分布しているのですが、その葉は切れ込みが3つぐらいで「蛙の手」に似ています。
これに対してモミジは切れ込みが5つぐらいあって、赤ちゃんの手に似ている特殊なものです。そして、モミジは日本にしか生息しないカエデなのです。
この違いを知った上で、「紅葉狩り」を英語でどう説明したら良いかを考えてみました。それでは行ってみましょう!
紅葉狩りを英語で案内する超簡単なフレーズとは?
カエデは英語でmapleですね。モミジは英語でJapanese mapleです。上で説明したように、モミジは日本独特のカエデだからです。モミジを英語で説明するには、下のように表現すれば良いでしょう。
〔5つの切れ込みがあって、赤ちゃんの手のようだ〕
詳しく解説していきましょう。「葉が色づく」ことを表現するには、turn yellowやturn redという英語を用います。
「紅葉」という名詞には、 fall colorsやautumn colorsがありますが、もっと葉全体が色づいていることを表現するには、autumn foliageやfall foliageを使います。
foliageという単語は「葉全体」を意味します。秋のことをアメリカではfall、イギリスではautumnと言いますが、「紅葉」の場合は、響きが綺麗なのでautumn foliageの方が好まれるようです。
アメリカでは、最近、紅葉を見に行く事をleaf peepingと言います。peepというのは「覗き見る」という意味ですが、なぜこの単語が使われるかは不明です。
外国人にもオススメできる紅葉狩りスポットとは?
私の友人を含めた、外国人にお薦めの紅葉狩りスポットとして、関東地方と京都の2つに絞りました。
箱根 芦ノ湖(神奈川)、日光 いろは坂(栃木)、養老渓谷(千葉)、高尾山(東京)京都
嵐山、東福寺、清水寺、永観堂、南禅寺、高台寺、光明寺、比叡山、二尊院、金閣寺
ちなみに外国の人々は、黄色い紅葉を見慣れています。紅や紅と黄色が混じった紅葉はあまり馴染みがありません。そこで、外国人の目には、深紅の紅葉は、大変エキゾチックな日本の美と印象付けられるのだと思います。
こちらはスライド画像ですが、この動画は、日本の紅葉の美しさをよく表しています。
▼The four seasons in Kyoto(Japan), Autumn leaves【四季の京都、秋・紅葉】
上記の動画を掲載したサイトには、次のような外国人の感想が掲載されています。
・ワオー、明るい色彩が至る所にあるじゃん。秋がこんなに美しくなれるものだなんて初めて知った。(アメリカ)
・ストレスでまいってる時、この映像はいつも私を救ってくれる。投稿してくれてどうもありがとう。(デンマーク)
・良い、ホント良い! この動画観てると心が落ち着く。秋か春の日本に行ってみたいって心の底から思ってるんだ!(アメリカ)
こちらの反応を参考に、自分で体験したスポットを心を込めて紹介すると、きっと外国人の方にも喜ばれますよ!
そもそも紅葉狩りって何?
言われてみれば、紅葉狩りに「狩り」という言葉がつくのは奇妙ですね。獣を捕まえる意味の「狩り」は、古くから野鳥や小動物を捕まえる、果物などを採るという意味に広がり始めたんです。
やがて「狩り」は、草花を手にとって眺めたりする事にも使われ、「紅葉狩り」という言葉が生まれたようです。そう言えば、モミジは葉全体の色を楽しむのも良いですが、1枚の葉を切り離して、それを眺めるのも粋なものです。あるいは、水面に浮かぶモミジの葉を手に取って鑑賞するのもいいですね。
日本人の紅葉狩りのイメージは、時代と共に変化します。平安時代は「紅で燃え尽きた後は冬に向かう」といったマイナスのイメージがあったようです。室町時代ぐらいから紅葉狩りを楽しむようになり、江戸時代には桜の花見のように宴会をして楽しんだようです。
季節に敏感な日本人にとって紅葉狩りは、閉塞した冬に向かうことへの抵抗感から来た、気を紛らわせるためのイベントだったのかも知れません。外国人に紅葉狩りを説明するとき、このような「日本人と紅葉狩り」の関係についても言及できれば素晴らしいですね。
紅葉狩りを英語で説明する方法 まとめ
いかがでしたか? 「紅葉狩り」という言葉を英語に訳しにくいのは、日本と欧米の習慣の違いも影響しているでしょう。欧米では、紅葉の季節に色づいた木々を観に行く習慣はありません。
そのため、「紅葉狩り」という言葉で、日本人のように、遠出をしてまで紅葉を観に行くというニュアンスを伝えるのが難しいのです。このような意味を込めたいなら、アメリカ人が使うleaf peeping を日本の紅葉狩りに使うのはそぐわないかも知れませんね。
そこで、日本の紅葉狩りに近い英語を、次のように考えてみました。
event to enjoy looking at autumn foliage
英語は得意ではないので、やや日本語的発想の英語ではないかと思っています。皆さんは、紅葉狩りの意味を最もよく伝える英語をどのように考えられますか?