沖縄戦は1945年に終結しているので、2016年6月23日で終戦71年目を迎えます。慰霊の日とは何か、沖縄の歴史を通して学んでいくことは平和を願う私たちには必要ですね。
沖縄県民が忘れてはいけない特別な一日慰霊の日
「慰霊の日」とは、別名「沖縄県慰霊の日」なんです。どんな日かというと、太平洋戦争で沖縄は甚大な被害を被りましたが、その沖縄戦での犠牲者を追悼し、慰霊をするために沖縄が定めた日なんです。この日に、沖縄戦を指揮した第32軍牛島満司令官が自決したとされています。
だから、6月23日を、沖縄県が1974年に「戦没者追悼、恒久平和を希求する日」として条例で定めたのです。もしかしたら、あれ?終戦よりずっと前?と思われるかもしれませんが、沖縄戦は3月に開始され、もうすでに4月1日には、アメリカ軍によって上陸され飛行場も占領されています。
沖縄を基点にしたことにより、本土への攻撃が更に激化するんですよね。上陸されてからの沖縄の惨劇についてはメディアなどを通して知っている方も多くいらっしゃるかと思います。ひめゆり学徒隊などによる集団自決なども含めて住民・日米軍人合わせて約20万人が犠牲となっています。
普段の生活の場が戦場になるというのは、想像を絶することですよね。6月23日は事実上での組織的な沖縄戦の戦闘が終了した日です。この特別な日を通して、戦争の凄惨さを後世に語り継いで、平和を願っていかなくてはいけません。
慰霊の日を休みにするべきか? 全国を巻き込んだ問題とは?
毎年6月23日の慰霊の日は、沖縄だけが休日になっているって知っていましたか? 小中高と学校はもちろん、県庁や市役所なども休みなんですね。そのような慰霊の日を休みにするのはやめようという動きが出たことがありました。
地方自治体の休みを国の機関に合わせることが義務付けられてことをきっかけに、沖縄県独自のこの休日を廃止するべきという流れができたんですね。しかし、それは県民の大反対にあい、議会が休日の廃止を撤回することになったんです。
この県民の声は、中央政府にまで届き、地方自治法の修正案が国会を通過したんです。沖縄戦を風化させまいと懸命に主張し、運動をした沖縄県民の思いが伝わった形です。
慰霊の日に沖縄で行われる式典は何があるの?
毎年この「慰霊の日」には、糸満市摩文仁にある平和記念公園で午前11時50分から「沖縄全戦没者追悼式」が行われます。これは、沖縄県、沖縄県議会主催のもので、正午にはみんなで黙祷をし、戦没者を慰霊するとともに恒久平和を願います。
同時に、沖縄県内にある各地の慰霊塔でも一斉に慰霊祭が行われます。慰霊祭では、遺族が訪れて花を手向け、お水やご馳走を備えます。また、この慰霊祭は、沖縄県だけに留まるものではなく、日本全国に「恒久平和への希求」を発信しています。
2015年の6月23日「沖縄慰霊の日」の動画です。
▼平成27年6月23日 沖縄 慰霊の日 『平和の詞』”みるく世がやゆら”
慰霊の日 まとめ
沖縄県では今も、未処理の不発弾の爆発事故などの問題を抱えています。むき出しの不発弾がそのままになっているなんて相当危ないですよね。子供たちなどは何も知らないので遊び道具にするんじゃないかと思うとぞっとします。
太平洋戦争で唯一日本住民が地上戦を体験した沖縄。沖縄戦の犠牲者の半数は子供を含む一般住民です。年々戦争体験者が少なくなっていくという現実はありますが、この「慰霊の日」を通して、しっかり学び、平和への願いを新たにしたいですね。