私(筆者)の住んでいる地域では、節分に「けんちん汁」を食べる習慣があります。最近は節分というと恵方巻きが有名ですよね。元々恵方巻きは関西圏の食文化です。

私の住んでいる地域は関西なので、節分では恵方巻きが一般的です。しかし、関東では節分の料理としてけんちん汁を食べるようですね。

なぜそうなったのでしょうか? 関西人の私としてはとても興味があります。関東でも、限られた地域だけ、節分の頃に「しもつかれ」という料理を食べるようですね。

この「しもつかれ」という馴染みの薄い料理にも、実は深い意味があるんですよね。

ということで、今回は「けんちん汁」と「しもつかれ」の由来と作り方を調べてみました。それでは早速見ていきましょう!

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節分にけんちん汁を食べるようになったのは何故?

説1:中国が発祥

関東のけんちん汁は、節分だけでなく、寒い時期の行事ではよく食べられるようです。節分だからけんちん汁というよりは、冬の行事につきものの暖かい汁物だと理解しておきましょう。

けんちん汁の発祥の由来には2つの説があります。1つは、中国伝来のケンチュンと呼ばれる料理です。

肉も魚も使わない料理で、けんちん汁と同じです。この「ケンチュン」が、「けんちん」に変わったとされています。

説2:建長寺で作られた精進料理

もう1つは、建長寺(けんちょうじ)というお寺の精進料理からという説です。この説は結構有名ですよね。

ちなみに場所はこちらです。

けんちん汁は、このお寺の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が、崩れたお豆腐や、あまりの野菜を使って美味しい汁物を作ったものが起源だとされています。

この建長寺の建長汁から、けんちん汁ができたと言われています。

けんちん汁は、大根、人参、ゴボウ、里芋、こんにゃく、お豆腐などを、一旦ごま油で炒めてから煮込む汁物です。油分の効果でとても暖かくなるため、寒い季節にはピッタリの料理となります。

そんな、けんちん汁の作り方を分かりやすく説明している動画がありましたので、併せてご覧ください。

▼けんちん汁の作り方

楽天レシピでもけんちん汁の作り方を紹介していますよ。こちらのページからご覧ください。
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「しもつかれ」ってどんな食べ物?

どこで何のために食べるもの?

「しもつかれ」とは……

  • 主に栃木県方面の食べ物
  • 群馬県・茨城県方面などにも分布する伝統の郷土料理
  • のことです。

    要するに北関東地方に分布する行事食です。それは初午の日に作り、赤飯とともに稲荷神社に供える食べ物です。

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    ▼郷土料理 しもつかれ 350g

    鮭の頭と野菜の切り屑など残り物を大根おろしと混ぜた料理なのですが、地域により、「しもつかり」「しみつかり」「しみつかれ」「すみつかれ」「すみつかり」とも呼ばれるようです。

    「しもつかれ」ってどんな意味?

    名前の由来には諸説あります。

    「宇治拾遺物語」「古事談」には、煎り豆に酢をかけて食べた「酢むつかり」という食べ物が記述されていて、これが天台宗寺院の広がりとともに伝えられ、「しもつかれ」になった。
    下野国(しもつけのくに)で初午の時に各家庭で食べる習わしのため、「しもつけ」と、家訓を表す「家令(かれい)」がくっついて、「しもつかれ」になった。

    という説などが代表的なものです。

    また、元は滋賀や京都発祥の料理という説があり、江戸時代初期に、徳川家康が往生した際、天台宗のお坊さんがたくさん集められ、その時一緒に持ち込まれた料理だという言い伝えもあります。

    「しもつかれ」の簡単レシピを紹介します


    せっかくですから、節分に「しもつかれ」を作ってみたいと思っている方に、簡単にではありますが、作り方を説明したいと思います。

    まず材料から紹介しますね。

  • 塩鮭の頭
  • 節分の福豆の残り
  • 大根
  • 人参
  • 酒粕
  • その他の細切りにした余り物
  • これが基本です。

    そして、作り方は…

    1. 細かく切った鮭の頭を骨が柔らかくなるまでアクを取り煮込む。
    2. 外皮をとった炒り豆(大豆)と、鬼おろしで荒くおろした大根と人参を加える。
    3. 酒粕・砂糖・醤油を入れて味を整えてさらに煮込む。
    4. 冷まして味が染み込んだら出来上がり。

    ざっとこんな感じですが、分量とかは結構、ざっくりな感じが多いですので、特に3.の分量だけ気をつけてれば大丈夫です。

    地域によっては油揚げを刻んで入れることもあるようです。調味料を一切用いず、一般的には鮭や酒粕の量を加減することで味を調整するようです。

    また、栃木県の真岡市地方では、これらの材料に少量の酢を入れることもあるようです。

    肝心の味は?

    さて、その味はというと、どうなのでしょう?

    正直、食べた感想は「微妙……。」な感じでした。

    何って言うんでしょうか……味が非常に表現しづらく、冷たいのが災いしているのか、個人的には「酒粕の混ぜ合わせ」を食べている感じです。

    おそらくこれは、食べる前に、否応なく目に入る「食欲をなくすような外見」が影響していると思います。

    前述に画像を貼っていますが、実際の料理としての外見がどのようなものかは、ネットの画像などで確認してみてください。

    関東の節分の食べ物「けんちん汁」と「しもつかれ」 まとめ

    いかがでしたでしょうか? 「けんちん汁」の「けんちん」とか「しもつかれ」といった言葉は、全く意味不明ですが、その由来を辿れば、どことなくうなずけるものがありますね。

    けんちん汁は精進料理です。その材料や作り方をみれば頷けますが、「しもつかれ」の作り方を調べてみれば、ごった煮のような感じですね。けんちん汁とは対照的だと思います。

    それにしても、私にとっては、どちらも節分の時しか食べないものなので、今回調べて、とても興味をもちました。

    いつか、関東の中で一番「けんちん汁」がうまい地域と一番「しもつかれ」がうまい地域に行って、それぞれの伝統料理を食べてみたいものです。

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