冬至と夏至では、ずいぶんと日の長さに違いがあるなと、誰しもが感じていると思います。
それは、夕方、日暮れの時間の変わり方を観察していれば分かりますね。
でも、「どれぐらいの時間差があるか」と問われたら、ほとんどの人が答えることができないのではないでしょうか。私も分からなかったので、少し調べてみました。
また、冬至や夏至という現象がどうして起こるのか、なかなか理屈が分からないという方も多いのではないでしょうか。
私は、昔、学習塾の講師をしていて、理科の授業でその理屈を生徒に説明していたことがありました。
今回は、その知識を思い出しながら、冬至や夏至が起こる理屈なども日本一わかりやすく説明してみたいと思います。
目次
冬至と夏至の日照時間はどのくらい違う?
こんなに違うの?
1年で昼間の時間が最も長くなる夏至と、最も短い冬至では、昼間の時間差は実際どれくらいなるのでしょう。
東京都における2005年から2014年までの10年間の時間差を次のように計算したデータがあります。
計算の結果、夏至と冬至の間には4時間50分13秒の時間差がありました。
なぜこんなに違ってくるのか?
夏至や冬至の日照時間は年によって違います。ある年は、夏至の日で14時間50分くらい、冬至の日で9時間45分くらいあって、その差は5時間5分でした。いずれにせよ差は約5時間。
だいたい、野球の試合を2試合分見るぐらいの時間ですから、結構長い時間差がありますね。
これが北に行くと、日照時間の差はさらに広がり、根室では冬至の日と夏至の日の日照時間の差は約6時間半になります。
冬至や夏至は、地球が太陽の周りを回る「公転」と、地球自身が回る「自転」から、複雑な計算をして設定されます。
ですから、冬至や夏至の日は、年によって何日かのズレが生じますし、昼間の時間の長さも年によって違ってくるのです。
こちらの動画でも、冬至と夏至の時間差のことを詳しく解説しています。
▼夏至と冬至の時間差 雑学
そもそも冬至・夏至ってどんな日のこと?
冬至、夏至の定義
冬至は1年の中で太陽が出ている時間(日照時間)が一番短い日で、夏至は太陽が出ている時間が一番長い時間です。どうしてこのようなことが起きるのでしょう?
地球は公転面に対して地軸(地球の自転の中心軸)を傾けて自転しています。
文章にするとわかりにくいので、下記の図を使って、わかりやすく解説していきたいと思います。
超図解! 地球の自転を徹底解説
図の①は北半球の地軸が太陽の方に傾いている様子で、これは夏至の頃の地球を表しています。
②は北半球の地軸が太陽から遠ざかるように傾いていて、これは冬至の頃の地球を表しています。
図にあるように、③の夏至の時は、地表に対して太陽光がほぼ真上から差して気温が高くなり、①の冬至では、地表に対して太陽光がかなり斜めから差すので、気温が低くなるのです。
①と③で、日本が1日かけて地球を一周する様子を表した緑の線に注目してください。①では、昼間の時間が夜の時間より長くなっていますね。
③では、昼間の時間が夜の時間より短くなっているのが確認できるでしょう。①と③の中間にあたる㈪は、秋分の頃の地球の様子で、矢印アの方向から見たものです。
春分や秋分では、夜と昼の境と地軸の線が重なるため、②の図から分かるように、夜と昼の時間が同じになります。
以上のように、冬至と夏至は地球の自転と公転の複雑な動きで生じるのです。
2018年の夏至・冬至は何月何日?
忘れても大丈夫! 簡単な覚え方とは?
ポイントで説明すると……
2018年の冬至:12月22日
です。
ちなみに2019年の夏至は6月22日なんですね。
春分、夏至、秋分、冬至というのは、毎年微妙に日にちが変わるのですが……
- 春分は3月20日
- 夏至は6月20日
- 秋分は9月20日
- 冬至は12月20日
上記を基準にして、その前後
と覚えておけば良いでしょう。
それぞれの風習を解説します
4つの季節の中で、夏至を祝う風習だけが昔から乏しいですが、そんな中でも、夏至を感じるために、福井県などでは、焼き鯖を食べる風習があります。
これは、暑い中行なう田植えを乗り切るために栄養のある鯖(サバ)を食べたことが由来のようです。夏至に、その年収穫した麦で餅を作って神様に供える地域もあるようです。
冬至の風習としては、かぼちゃを食べたり柚子湯に入ることが有名ですね。
かぼちゃを食すのは風邪予防の栄養食として、柚子湯はリラックス効果と、強い香りで邪気を払う縁起かつぎで行われている風習のようです。
さらに、冬至に、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、うどんなど、「ん」のつくものを食べると、「運」が呼び込めるという風習もあります。
下記の記事でも今年の冬至について、詳しく解説していますので、読んでみてください。
冬至と夏至について まとめ
いかがでしたでしょうか。冬至と夏至の時間差が約5時間もあるというのは驚きですね。
どうしてこのような差が生じるのか、地球の公転と自転の関係の中で、地軸の傾きがポイントだということがご理解いただけたと思います。
冬至と夏至の風習を見てみると、古来より人間は冬至の方を重んじていたようですね。冬至は、太陽が姿を現している時間が1年で最も短くなった日から、再び太陽が復活しようとする分岐点です。
そこには人間の希望が託されています。クリスマスも冬至と関係しています。イエスキリストがこの世に降臨したのが、冬至とほぼ同じクリスマスの日です。
そこから7日間で世界ができ、1月1日から新年が始まるのです。